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遺言執行者


■遺言執行者の選任について

遺言執行者とは
遺言の内容を実行する者。遺言書に書かれている内容に従って、財産の管理、名義変更などの相続手続きを行います。

遺言執行者になれないもの
未成年者や破産者は遺言執行者となることはできません。
遺言執行者をおく方法
・遺言書で遺言執行者を指定しておく
(遺言執行者は、相続について利害関係がない第3者で相続に関する知識や経験がある者が公平性が保たれる)

・遺言書で遺言執行者を指定していなかったり、また指定したが承諾を得られなかったり、すでに亡くなっている場合は遺言者の最後の住所地の家庭裁判所に選任してもらう。

遺言書であらかじめ指定しておく方が、裁判所への手続きを行うことなく済みますから、相続人の負担が軽減されます。

遺言執行者をおくメリット
・「認知」や「推定相続人の排除・取消」の手続きを行うには遺言執行者が必要..いない場合は、家庭裁判所に

・相続人以外の第3者に対して不動産を遺贈(遺言による贈与)する場合、遺言執行者がいれば、遺言執行者のみが登記義務者となり、受遺者(遺贈を受けた者)と遺言執行者とで登記申請ができます。遺言執行者をおかない場合だと相続人全員の協力がなければ、名義変更できません。


遺言執行者の任務
相続財産目録の調整
相続人全員への財産目録の交付

遺言執行者は遅滞なく財産目録を調整し、これを相続人に交付しなければなりま
せん。

相続財産の管理・執行
遺言執行者は相続財産の管理その他遺産の執行に必要な一切の行為をする権利義
務を持っています。遺言執行者に就任し、財産を配分する場合、 まずはすべての相続財産を、遺言執行者の名義に変更します。それから遺言の内容にしたがって、 遺言執行者から財産の配分が行われます。

遺言執行人の報酬
遺言執行人の報酬につき、遺言があればそれに従い、遺言がなければ家庭裁判所
が報酬を定めることができます。


認知手続き
遺言執行者は就職の日から10日以内に認知の届出をしなければなりません。


参考 民法 遺言の執行

1004条(遺言書の検認、開封 )
第1項 遺言書の保管者は、相続の開始を知った後、遅滞なく、これを家庭裁判所に提出して、その検認を請求しなければならない。遺言書の保管者がない場合において、相続人が遺言書を発見した後も、同様である。

第2項 前項の規定は、公正証書による遺言には、これを適用しない。

第3項 封印のある遺言書は、家庭裁判所において相続人又はその代理人の立会を以てしなければ、これを開封することができない。
 
1005条(前条違反の制裁)
前条の規定によって遺言書を提出することを怠り、その検認を経ないで遺言を執行し、又は家庭裁判所外においてその開封をした者は、五万円以下の過料に処せられる。

1006条(遺言執行者の指定)
第1項 遺言者は、遺言で、一人又は数人の遺言執行者を指定し、又はその指定を第三者に委託することができる。

第2項 遺言執行者の指定の委託を受けた者は、遅滞なく、その指定をして、これを相続人に通知しなければならない。

第3項 遺言執行者の指定の委託を受けた者がその委託を辞そうとするときは、遅滞なくその旨を相続人に通知しなければならない。
 
1007条(遺言執行者の就職)
遺言執行者が就職を承諾したときは、直ちにその任務を行わなければならない。
 
1008条(遺言執行者就職の催告)
相続人その他の利害関係人は、相当の期間を定め、その期間内に就職を承諾するかどうかを確答すべき旨を遺言執行者に催告することができる。若し、遺言執行者が、その期間内に、相続人に対して確答をしないときは、就職を承諾したものとみなす。
 
1009条(遺言執行者の欠格事由)
無能力者及び破産者は、遺言執行者となることができない。
 
1010条(遺言執行者の選任)
遺言執行者が、ないとき、又はなくなったときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求によって、これを選任することができる。
 
1011条(財産目録の作成)
第1項 遺言執行者は、遅滞なく、相続財産の目録を作成して、これを相続人に交付しなければならない。

第2項 遺言執行者は、相続人の請求があるときは、その立会を以て財産目録を作成し、又は公証人にこれを作成させなければならない。
 
1012条(遺言執行者の職務権限)
第1項 遺言執行者は、相続財産の管理その他遺言の執行に必要な一切の行為をする権利義務を有する。

第2項 第644条乃至第647条及び第650条の規定は、遺言執行者にこれを準用する。
 
1013条(相続人の処分権喪失)
遺言執行者がある場合には、相続人は、相続財産の処分その他遺言の執行を妨げるべき行為をすることができない。
 
1014条(特定財産に関する遺言の執行)
前3条の規定は、遺言が特定財産に関する場合には、その財産についてのみこれを適用する。
 
1015条(遺言執行者の地位)
遺言執行者は、これを相続人の代理人とみなす。
 
1016条(遺言執行者の復任権)
第1項 遺言執行者は、やむを得ない事由がなければ、第三者にその任務を行わせることができない。但し、遺言者がその遺言に反対の意思を表示したときは、この限りでない。

第2項 遺言執行者が前項但書の規定によって第三者にその任務を行わせる場合には、相続人に対して、第105条に定める責任を負う。
 
1017条(共同遺言執行者)
第1項 数人の遺言執行者がある場合には、その任務の執行は、過半数でこれを決する。但し、遺言者がその遺言に別段の意思を表示したときは、その意思に従う。

第2項 各遺言執行者は、前項の規定にかかわらず、保存行為をすることができる。
 
1018条(遺言執行者の報酬)
第1項 家庭裁判所は、相続財産の状況その他の事情によって遺言執行者の報酬を定めることができる。但し、遺言者がその遺言に報酬を定めたときは、この限りでない。

第2項 遺言執行者が報酬を受けるべき場合には、第648条第2項及び第3項の規定を準用する。
 
1019条(遺言執行者の解任・辞任)
第1項 遺言執行者がその任務を怠ったときその他正当な事由があるときは、利害関係人は、その解任を家庭裁判所に請求することができる。

第2項 遺言執行者は、正当な事由があるときは、家庭裁判所の許可を得て、その任務を辞することができる。
 
1020条(委任の規定の準用)
第654条及び第655条の規定は、遺言執行者の任務が終了した場合にこれを準用する。
 
1021条(遺言執行の費用)
遺言の執行に関する費用は、相続財産の負担とする。但し、これによつて遺留分を減ずることができない。



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